桑の葉茶の糖尿病に対する効果・効能について120%の真実を解説します。

桑=マルベリのお茶・青汁・サプリメントが血糖値を下げるってウソ?本当? 科学的研究報告や論文も交えて徹底的に検証します。

効果・効能について

桑の葉に多い“1-デオキシノジリマイシン(DNJ)”が血糖値を抑えてくれる仕組みは?

投稿日:2017年2月9日 更新日:

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桑の葉は、血糖値の上昇を抑えて糖尿病の予防に効果があると噂される健康食材ですが、その有効成分は「1-デオキシノジリマイシン」、通称“DNJ” と呼ばれるイミノ糖です。

「イミノ糖」とは、擬似糖質とも呼ばれ、グルコースやマルトースなど糖類と非常によく似た化学構造を持つ成分のことです。

 
このイミノ糖であるDNJは、一体どうやって、私たちの体内で血糖値の上昇を抑えてくれるのでしょうか?

この記事では、私たちが桑の葉を摂取したとき、豊富に含まれる DNJがどんな仕組みによって血糖値を抑えてくれるのか、そのメカニズムを分かりやすくご説明したいと思います。

 
また補足として『カイコ以外の虫が決して桑の葉を食べない理由』も合わせてまとめました。

こちらもご覧になれば、DNJに期待される効果のほどがよくお分かりいただけるかと思います。

 

DNJは、どんな仕組みで血糖値の上昇を抑えてくれるの?

食事から摂った糖分や炭水化物は、糖質のうち最もシンプルな構造である ブドウ糖 (グルコース) にまで分解されなければ、体内に吸収することができません。

口に入ったでん粉などの炭水化物は、唾液と混じりよく噛むことで細かく砕かれ、胃に入ってさらに柔らかくされて十二指腸に送られます。

十二指腸では、膵臓から分泌されるアミラーゼなどの消化酵素によって、マルトースやイソマルトースなど二糖類に分解されます。

 
そして小腸 (空腸及び回腸) に辿り着いてから、マルトースやスクロース (ショ糖=砂糖) 等の二糖類を分解する酵素である“α-グルコシダーゼ”と結合し、単糖であるブドウ糖にまで分解されます。

こうしてようやく、栄養素として体内に消化吸収することができるのです。
 

  • 1-デオキシノジリマイシンの化学構造
  •  
  • ブドウ糖(グルコース)の化学構造

 
しかしここで 1-デオキシノジリマイシン (DNJ) が存在すると、糖質よりもα-グルコシダーゼと親和性の強いDNJが、マルトースやスクロースよりも先にα-グルコシダーゼと結びつきます
 
実はDNJは、ブドウ糖と非常に近い化学構造を持っています。
左の図をご覧ください。
 
赤い部分がわずかに異なるだけで、とてもよく似ているのが分かると思います。
 
このようにブドウ糖と化学的に類似しているために、α-グルコシターゼは、スクロースやマルトースなど私たちが食物から摂取する一般的な糖質よりも、DNJのほうにいち早く反応し、結合してしまうのだと考えられています。

 
いったんDNJと結びついたα-グルコシダーゼは、DNJに邪魔された形となり、もう糖類と結びついてこれを分解することはできません。

 
つまり DNJ は、

  • 自分が二糖類のダミーになることで、本物の二糖類とα-グルコシダーゼとの結合を妨げ、糖類の分解と消化吸収を阻害する。

…というわけです(●^^●)

カイコ以外の虫が決して桑を食べない理由とは?

ちなみに桑は、言わずと知れていますが、 (かいこ) がエサとして大変好みます。

この蚕の食性を利用して、かつての日本では絹糸を生産する養蚕業が全国で盛んに行われました。

 
ところが実は、蚕以外で桑を食べる昆虫はあまりいません

 
葉も柔らかくいかにも食べやすい、しかも栄養素を豊富に含む桑を、なぜ他の虫たちは食べないのでしょうか?

その答えがまさに、DNJ を始めとした、桑に含まれる複数の糖類似化合物にあることが近年の研究で分かりました。

 
上に述べたように、DNJなどの糖類似化合物は、本物の糖質の消化吸収を妨げる働きがあります。

つまり体の小さな虫たちが桑の葉を食べていると、生命活動のエネルギー源として欠かせない糖質を体内に取り入れられなくなり、生きのびることができないのです。

他の虫たちがそんな桑の葉を敬遠する中で、蚕だけは独自に進化を遂げ、何らかの生体的な防御メカニズムを身に付けて適応したものと見られています。

 

食害から身を守るため、いわば毒とも言える物質を自らつくり出し、日々生きるためだけにひたすらエサを求めて動いている小さな生物を見事に遠ざけているこの桑の葉を、飽食による慢性病に苦しむ人間たちがいま、とてもありがたがって健康食品として重宝している様相は、何とも皮肉というか不思議な話でもあります(^^;)

参考記事:農業生物資源研究所 プレスリリース
「クワは乳液で昆虫から身を守る – 植物の乳液に農薬・医薬の宝庫としての可能性 -」

 

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