桑の葉茶の糖尿病に対する効果・効能について120%の真実を解説します。

桑=マルベリのお茶・青汁・サプリメントが血糖値を下げるってウソ?本当? 科学的研究報告や論文も交えて徹底的に検証します。

桑の葉とは?

桑の葉は歴史ある漢方薬にして健康茶。喫茶養生記にも書かれた効能とは?

投稿日:2017年2月6日 更新日:

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“桑の葉”は、他の野菜や植物にはない有効成分を多く含み、優れた効果・効能を発揮して私たちの健康をサポートしてくれる可能性が示唆されています。

幾つかの素晴らしい食品機能が、近年特に注目されている食材なのです。

 
そもそも桑の葉・根・茎など、桑の木のあらゆる部位が、現在でも漢方薬として利用されています。

その素晴らしい薬効は、中国で最古の薬物書と言われる『神農本草経』にも記載されています。

古くからの中国医学で、桑は「中薬」と呼ばれる治療や症状改善のための薬として分類され、咳止め・高血圧・滋養強壮・中風などに効果があるとされているのです。

 
さらに、鎌倉時代に唐に留学して、中国仏教とともに茶や桑を飲む習慣についても学んで帰国した高僧“栄西”は、自身の著書『喫茶養生記』の中で、桑の葉が糖尿病に効果があると記しています。

 
この記事では、そのように昔から知られていた桑の優れた効能について、

  • 中国や日本に古くから伝わる有名な書物の中では、どのように記されて残っているのか?
  • 現在でも漢方で処方される桑の生薬には、どんな種類や効能があるのか?

この2点について、詳しくご紹介していきます。

 

また、桑の葉そのものにどんな効果・効能が期待できるか? については、下記の別記事に分かりやすくまとめてありますのでご覧ください。

オススメ! 『【効能の一覧】桑の葉は糖尿病だけじゃない!高血圧・動脈硬化・がん・肥満予防や脂質改善にも期待。』

 

中国での桑の歴史-神仙思想の影響を受けた『神農本草経』に桑の効能を記載。

『神農本草経 (しんのうほんぞうきょう)は、中国で最も古い薬物書だと言われています。

「神農」とは、古代中国の伝説に登場する帝王の名前です。
医薬と農耕をつかさどる神として崇められています。

「本草」とは、神仙思想において“薬”を示す用語です。
神仙思想とは、やはり古代の中国で、永遠に生きることのできる仙人の実在を信じ、自らも仙人のように不死でありたいと希求した思想です。

中国初の統一国家「秦」を築いた始皇帝が、栄光の果てに追い求めたものがまさに我が身の“不老不死”でした。有名な話ですね。

 
やがて神仙思想は、自然に逆らわずよりよく長く生きる法を求める老荘思想と結びつき、そこに古くからの民間療法が体系的に取り入れられる中で、伝統的な中国医学の基礎ができあがってきます。

山岳を歩き仙人の境地を目指す修験者は、時に、英気を養い、よりよい長寿を実現するために、幽玄なる森林や断崖絶壁から薬草を採取したと言います。

そこからいろんな植物や薬草の効能が具体的に知られるようになり、それらは分類・体系化されていくこととなりました。

これが、現在でも処方される“漢方薬”の起源です。

 

『神農本草経』は、このような古い中国医学で使われる薬を、次の表のように「上薬」「中薬」「下薬」の3種類に分類しています。

上 薬 長期間服用しても無害であるどころか、命を養って心身を軽やかにし、長寿をもたらしてくれるもの。
中 薬 症状により、また服用する量や方法によって、無害or有害な場合の両方があるが、正しく服用することで病気を防ぎ、体力を補ってくれるもの。
下 薬 病気の治療を主な目的とし、効果も強いが副作用も大きいため、処方のしかたに細心の注意が必要なもの。

 
古代中国においても、病態や症状の進行具合などケースバイケースで使い分けられていたと思われます。

しかし基本的には、下薬よりも中薬、中薬よりも上薬が上位の薬という概念です。

病気の治療よりもむしろ日頃の予防と健康を重んじる東洋医学の理念がよく表れています。
インドに古代からある伝統医学“アーユルヴェーダ”にも通じるものがありますね。

 
さて桑の葉ですが、この『神農本草経』の中で、桑は“中薬”に分類されています。

桑の葉を陰干ししたものを「神仙茶」と呼び、風邪の咳、百日咳に効果がある他、 高血圧の予防、滋養強壮にも役立つことが記載されています。

日本での桑の歴史-『喫茶養生記』など有名な古文献に桑の効能が書かれています。

日本でも古代から、桑には霊力があると考えられていたと言われます。
弥生時代の頃から、桑を利用して養蚕が行われていたのも事実のようです。

かの邪馬台国や女王卑弥呼について記した、中国の史書『魏志倭人伝』の中にも、当時の日本で養蚕に桑が用いられていたと書かれています。

 
薬草としての桑の効能については、平安時代の医学書など幾つかの古書に記載があるようですが、ここでは、

  • ①古代文字で書かれ、古事記や日本書紀よりも古いとも言われる『秀真伝 (ホツマツタエ)
  • ②鎌倉時代の有名な臨済宗の高僧“栄西”によって著された『喫茶養生記』

 
この2つの書物に、桑の効能について具体的にどのように記載されているのか、それをご紹介したいと思います。

①『秀真伝 (ホツマツタエ)』に記された桑の薬効とは?

『秀真伝 (ホツマツタエ)は、日本の古代文字で記され、いわゆる“古史古伝”と呼ばれるものの一つです。

古史古伝とは、日本の古代歴史で重要な資料とされている「古事記」「日本書紀」以外の史書で、この2つの史料とはかけ離れた内容を記してあるものも含まれます。

 
古史古伝の類は、江戸時代に書かれた偽書であると見なす向きも多いです。

しかしこの秀真伝 (ホツマツタエ) については、少なくとも平安時代以前には遡ることのできる真書であると主張する研究家も少なからずいます。

この古文書を偶然発見した松本善之助氏は、熱心な研究を重ね、“秀真伝”こそが記紀 (古事記と日本書紀のこと) の原点であると確信したと言います。

その内容としては、日本の始まり、つまり天地開闢 (かいびゃく) から神々による天皇の時代を経て、初代の“人”による天皇となった神武天皇から景行天皇までの時代を描いています。

 
そんな中で、桑の効能については、

天照大御神(アマテラスオオミノカミ)の孫であるニニギノミコトが、富士山を巡り歩いていた際に体が冷え、腹痛を起こしてしまった。
 
そのとき「はぐは」「千代見草」「ひとみ草」と呼ばれる3種類の植物を煎じて飲み、症状を癒すことができた。

 
という内容が記されています。

 
ここで言う「はぐは」とは桑のことを指しています
そして「千代見草」は蓬 (よもぎ)、「ひとみ草」は人参のことです。

さらに、

他にも薬効のある草が多くあるが、この3つの薬草に勝る仙薬はなく、特に「はぐは」は、老いた身体を若返らせることもできる薬草である。

 
とされているのです。

 
現代でも漢方で処方される桑の生薬についても、その効能の中に、早期白髪に効く、高齢による体力低下を回復する、等があります。

桑の効能は、本当に古くから知られていたのですね。

『喫茶養生記』に記された桑の効能とは?

『喫茶養生記』は、「きっさようじょうき」と読みます。
鎌倉時代に日本で初めて臨済宗を開いた栄西 (えいさい・ようさい) が著した書物です。

 
宋に留学した栄西は、当時中国で隆盛していた禅宗を学ぶとともに、喫茶の習慣を日本に持ち帰ったことでも有名です。

健康と長寿のため、お茶を飲むことを広く世に推奨したのです。

 
この書は武士や権力者などに長く読み継がれ、室町時代には「茶桑経(ちゃそうきょう)」とも呼ばれました。

そして、この室町時代に“茶の湯”が成立し、やがて千利休の茶道へと発展していき、喫茶の習慣はれっきとした日本文化として定着していきます。

 
この「茶桑経(ちゃそうきょう)」という別名のとおり、『喫茶養生記』に書かれているのはお茶の効能や作法だけではありません。

この書は上下2巻に分かれており、上巻にはお茶の製法や喫茶の方法・薬効などが事細かに記されています。

そして下巻に、なんと 桑の効能や飲み方 について詳しく解説されてあるのです。

 
この中で、桑は「飲水病(=糖尿病)」「中風」「拒食」「瘡(切り傷、腫物など)」「脚気」の5種の病に効果があるとされ、さらに桑を飲む方法として、「桑粥の作り方」「桑茶の煎じ方」「桑の木・葉・果実の服用のしかた」等を詳しく紹介しています。

このような桑の部位や飲み方によって少しずつ異なってくる効能の一つ一つまで、細かに分類し解説しています。

 
例えば、

…など、現在の漢方医学で言う桑の効能に通じるものが多々あります。

 
そして、桑の葉に至っては「お腹の病がなくなり、心身ともに軽快となる」と言い、この服用効果は仙術であるとまで述べられているのです。

 
なお、面白いところでは、

  • 桑の木を枕にして寝ると、目がよく見えるようになり、頭痛にならず、悪い夢を見ない。

…といった内容も書かれてあります。

 

私たちが最も気になる 糖尿病への効果 に関しては、

  • 桑粥や桑湯を服用することにより、いくら水を飲んでも喉が渇いてしまう飲水病 (糖尿病のこと) に対し、数日で効果が現れる。

…と述べられています。

 
このように「桑の葉が糖尿病に効く」という話は、すでに鎌倉時代から日本においても知られていたのです。

桑を使った漢方・生薬の種類は何がある? その効能は?

桑は、現在でも漢方として重用されています。
さまざまな薬効があり、桑の葉・枝・果実・根まで全てを生薬として利用することができます。

桑を用いた生薬には、桑葉(ソウヨウ)、桑枝(ソウシ)、桑白皮(ソウハクヒ)、桑椹子(ソウジンシ) などがあります。

この中で桑白皮は、日本薬局方にも収録されています。
 

CHECK! 日本薬局方 (にほんやっきょくほう)
 
一般に「薬局方」とは、医薬品の性状や品質の適正を図るため、それらの規格を定めたもののことです。
 
医薬品や生薬が収録される他、それら薬剤の試験法や純度の基準・形状などが記載されています。
『日本薬局方』は、日本の厚生労働大臣が定める医薬品の規格基準書のこと。

 

下に、桑を用いた生薬としてよく知られているものについて、名称と主な効能をまとめておきますね。

“桑”という植物が、いかにさまざまな健康機能を有する素晴らしい食材となり得るか、よくご理解いただけるのではないでしょうか。

 

桑を用いた漢方・生薬の種類と効能
生薬名 用いる部位 効果・効能
桑葉
(ソウヨウ)
桑の葉 解熱(身体の熱を冷ます)、止咳(咳を止める)、明目(目の症状を改善する)等の効能が知られています。風邪による発熱や頭痛。結膜炎など目の病気・かすみ目・眼精疲労。その他には、咳、脚気、むくみ、腹痛などに効能があるとされます。
桑枝
(ソウシ)
桑の若枝 関節リウマチや関節炎による痛み。その他、引きつり・かゆみ・浮腫などに効能があるとされます。
桑白皮
(ソウハクヒ)
桑の木の根(皮部) 漢方的には、炎症を抑えて利尿を促す、咳を鎮め、痰を除く等の効能があるとされます。また西洋医学的には、血圧降下、血糖降下などの作用が報告されています。
桑椹子
(ソウジンシ)
桑の果実 血分を補う補血薬としての効能が知られています。肝臓や腎臓に作用する強壮薬として、貧血・めまい・口渇・便秘、その他には病気や高齢による体力低下などに用いられます。

 

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