桑の葉茶の糖尿病に対する効果・効能について120%の真実を解説します。

桑=マルベリのお茶・青汁・サプリメントが血糖値を下げるってウソ?本当? 科学的研究報告や論文も交えて徹底的に検証します。

効果・効能について

桑の葉に含まれる、血糖値を下げる効果があると言われる栄養素って何?

投稿日:2017年2月8日 更新日:

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桑の葉は、食物繊維に加え、ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE等のビタミン類、そして亜鉛・鉄分・マグネシウム・カルシウム等のミネラルをたっぷり含んでいます。

しかしそれだけでなく、実は、一般的な野菜には見られない桑の葉特有の効能成分が存在し、いま学会や研究者の熱い視線を集めているのです。

  • 1-デオキシノジリマイシン。通称“DNJ”
  • ケルセチン3-(6-マロニルグルコシド)。通称“Q3MG”

これらの成分は、現代人を脅かすさまざまな生活習慣病を予防するのに大変有効な可能性を秘めていることが、科学的研究で示唆されています。

 
DNJの効能は以前から知られ、厚労省の定めるリストにも記載がありますが、Q3MGのほうは、これまでに報告のない新しいフラボノイドの一種として、その健康機能も近年明らかになってきたばかりです。

今回の記事では、ビタミンやミネラル類など桑の葉に多く含まれ、従来からよく知られている栄養素に加えて、上記のような特定の注目成分 に関しても取り上げ、特に糖尿病に対してどんな効果が期待できるかをご紹介していきたいと思います。

 

糖尿病の予防効果が期待できる、桑の葉に豊富な栄養素とは何?

ビタミンB群-糖質・脂質・たんぱく質の代謝を促し、血糖値の上昇を抑制する。

ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン等のビタミンB群は、三大栄養素である、糖質(炭水化物)・脂質・たんぱく質の代謝 において、さまざまな重要な役割を果たします。

 
三大栄養素は、幾つもの酵素の力によって“アセチルCoA”という物質に変換された後、細胞内のミトコンドリアという器官に入ります。

そしてそこで“ATP”というエネルギー物質がつくられ、このATPを分解する際に放出されるエネルギーが、私たちのさまざまな生命活動の原動力となります。

ビタミンB群は、三大栄養素からATPが産生されるまで、幾つもの酵素によって元の栄養素が分解されていく幾つもの過程で、酵素の働きを助ける補酵素の役割を果たします。

 
ビタミンBをきちんと摂取することによって、私たちの体は糖質や脂質、たんぱく質を十分に分解・代謝し、エネルギーに変えて消費していくことができるわけです。

このビタミンB群が不足すれば、三大栄養素の代謝がスムーズに行かず、脂肪として体内に蓄積されるばかりでなく、血液中に代謝されない糖や脂肪酸があふれ、血糖値を上昇させて糖尿病のリスクを高めます。

特に、内臓脂肪が蓄積されていわゆる 肥満状態となれば、脂肪細胞から血中に放出される遊離脂肪酸がインスリン抵抗性を生じさせ、慢性的な高血糖を招くことにもなりかねません。

 

桑の葉 はビタミンB群を豊富に含むので、ミトコンドリアの活動を活発にして糖質や脂質の代謝を促し、血糖値の低下を助けることが期待されます。

特にビタミンB1とビタミンB2は、青汁の原料として使われ栄養価の高い緑黄色野菜の代表格であるケールの3~4倍量を含有しています。

亜鉛-インスリンを結晶化して、血液中のインスリン不足を防ぐ。

亜鉛 はタンパク質と結合し、血液中や骨、筋肉、内臓など、私たちのからだのあらゆる組織に分布しています。

生体内に存在する金属の中では鉄分の次に多く、300種類以上もの酵素の活性化に関わり人体の多彩な機能の調整に欠かせない重要なミネラル です。

糖尿病との関連においても、亜鉛はインスリンの正常な分泌と循環に大きな役割を果たします。

 
まず、膵臓のβ細胞からインスリンが分泌される際、インスリン分子が6つ集まった結晶体を形づくる必要がありますが、このインスリンの結晶化に亜鉛イオンの存在が欠かせません。

2個の亜鉛イオンが、インスリン結晶の中心の核を為すことで、インスリンが安定的に存在することができます。

そしてこの結晶化したインスリンが、いったん肝臓を通ってから血液に乗り、各器官に運ばれます。

 
このとき、代謝器官である肝臓はインスリンを分解しようとしますが、結晶化したインスリンは中心にある亜鉛イオンに守られ、一定量が分解されずに血液中に放たれ、全身を巡ることができます。

ところが亜鉛の不足でインスリン分子が結晶化しないまま肝臓に運ばれてしまうと、その大半が肝臓で分解されてなくなってしまうので、血液中のインスリンが不足して全身に行き届かなくなります。

すると膵臓は、インスリン不足の情報を受けてさらに多くのインスリンを分泌しますが、亜鉛不足で結晶化できないので、結局は肝臓でほとんど代謝されてしまいます。

 
血液中のインスリン不足で血糖値が上がる一方で、膵臓は多量のインスリン分泌によって疲弊し、ついにはインスリン自体が枯渇して糖尿病の発症と悪化に拍車をかけるというわけです。

つまりインスリンの分泌と循環を正常に保ち、糖尿病など生活習慣病を予防するにも、日頃から十分な量の亜鉛を食事から摂ることが欠かせません。

 

桑の葉 は、カルシウムやマグネシウム等種々のミネラルとともに、この亜鉛も豊富に含んでいる と言われます。

たとえば魚介類は一般的に亜鉛を多く含む食材ですが、桑の葉はアジ・イワシ・サンマなど一般的な青魚類の1~2倍、またしらす干しやホタテの2倍の亜鉛量を含有しています。

マグネシウム-インスリンと細胞との結合を助け、糖質の代謝を活発にして血糖値の降下を促す。

マグネシウム も亜鉛と同様、体内で働く多くの酵素の補助因子となって活躍します。

エネルギーやタンパク質の代謝、核酸の合成、神経作用や血圧のコントロールまで、さまざまな体内機能に関わる必須ミネラルです。

特に、ビタミンB群と同じくエネルギー代謝を助ける作用があります。

マグネシウムが不足すると、糖質・脂質・タンパク質の三大栄養素をエネルギーに代えて消費する細胞の機能がスムーズにいかず、肥満の原因となったり、糖や脂肪酸が血液中にあふれ糖尿病のリスクを高めます。

 
また、血液中の糖を細胞に取り込ませて血糖値を下げるインスリンの作用は、細胞膜にあるインスリン受容体にインスリンが結合することで初めて開始されますが、インスリンと受容体との親和性を高めて互いを結合しやすくするのがマグネシウムの働きです。

そして細胞内においても、インスリンの結合した受容体から各酵素にシグナルが送られ、糖を中に取り込む入り口となる器官を細胞膜に浮かび上がらせる必要がありますが、このインスリン受容体を活性化させてシグナルの伝達を可能にするのもマグネシウムの役目です。

このようにマグネシウムはインスリンの働きとも非常に深い関係があるため、不足するとインスリンに対する細胞の反応が悪くなって糖を取り込みにくくなるという、糖尿病の大きな要因の1つである“インスリン抵抗性”と呼ばれる状態を引き起こします。

 

桑の葉 (乾燥粉末) に含まれるマグネシウム量は、100g当たり270mg前後です。

マグネシウムを多く含む食材として、豆類・海藻・種子類などがありますが、100g当たりの含有量は一例を挙げると、

  • アーモンド:270mg
  • くるみ :150mg
  • 焼きのり :300mg
  • わかめ(生):110mg
  • 炒り大豆 :240mg

…のようになりますので、桑の葉に含まれるマグネシウム量はかなり多いほうだと言えるでしょう。

糖尿病の予防効果が期待され、いま大いに注目される桑の葉特有の新しい有効成分とは!?

“DNJ”-糖質の吸収を緩やかにし、血糖値の急上昇を抑える。

桑の葉は「血糖値を下げる効果がある」と言われ、近年、新たな健康食材として脚光を浴びるようになりました。

その最も大きな要因となった注目の有効成分が、「1-デオキシノジリマイシン(略称DNJ)」ですね。

 
DNJは「イミノ糖」と呼ばれる糖の類似化合物の一種で、グルコース(ブドウ糖)に非常によく似た化学構造を持っています。
(グルコース分子を構成する酸素原子の1つが、窒素原子1つに置き換わっただけです)

このDNJ自体は、厚生労働省が定める食薬区分において「専ら医薬品として使用される成分本質(原材料)」と認定されています。

実際、DNJの誘導体から糖尿病用α-グルコシダーゼ阻害薬「ミグリトール(商品名セイブル)」が開発され、患者さんの治療に利用されています。

 
DNJが血糖値の上昇を緩やかにするメカニズムは、医療機関で処方される「α-グルコシダーゼ阻害薬」と呼ばれる一連の薬剤とほぼ同じです。

詳しくは、以下の記事でご説明しています。
オススメ! 桑の葉に多い“1-デオキシノジリマイシン(DNJ)”が血糖値を抑えてくれる仕組みは?

 
ちなみに桑の葉にはもう一つ「ファゴミン」と呼ばれる、やはり糖によく似た化合物が存在します。

このファゴミンは、唾液の分泌を促進することで間接的にインスリン分泌を増加させるので、やはりこれも、DNJとは仕組みが異なりますが糖尿病や食後高血糖の予防に寄与する物質と言えるでしょう。

“Q3MG”-肝臓の酸化ストレスを抑えてインスリン抵抗性を弱める。β酸化を促し、脂肪の代謝を促進する。

Q3MG は、正式な名前を「ケルセチン3-(6-マロニルグルコシド)」と言います。

島根大学や島根県産業研究センターを中心とする共同研究より、桑の葉から発見された世界初の新成分として話題になっています。

 
このQ3MGは、玉ねぎ等に多く含まれることで有名なフラボノイド “ケルセチン” の仲間の一つです。

強い抗酸化作用があり、動脈硬化を抑える作用があることも、マウスを使った実験から示唆されています。

 
Q3MGの抗酸化力は、血管だけでなく肝臓でも効果を発揮し、肝臓を活性酸素から守ることで、脂肪肝や肝硬変などの肝疾患の発症や進行を抑える効果が期待されるそうです。

また、肝臓のインスリン抵抗性を抑えて糖質の代謝を促す、細胞のβ酸化を促進して脂肪の代謝を促すなどの効果が期待できることが、研究から明らかになっています。

桑の葉の栄養素や有効成分が、糖尿病を予防すると思われる効果・効能のまとめ

以上、桑の葉に豊富な栄養素や桑の葉固有の成分が、糖尿病の予防を助けると期待できる作用や効果・効能について見てきました。

最後にそれらを下の表にまとめておきます。
 

栄養素・有効成分の名前 期待できる効果・効能
ビタミンB群 糖質の代謝をよくして、血液中の糖質の量を抑える。脂質やたんぱく質の代謝を促し、肥満を予防することでインスリン抵抗性を抑える。
亜鉛 インスリンを結晶化して血中へのインスリン分泌を促すことで、血液中の糖質の代謝を助ける。
マグネシウム 血液中のインスリンと細胞との結合を助けることで、全身の糖質の代謝を促す。
1-デオキシノジリマイシン=DNJ 小腸での糖質の消化吸収を妨げ、血糖値の上昇を緩やかにする。
ケルセチン3-(6-マロニルグルコシド)=Q3MG 強力な抗酸化作用により、インスリン抵抗性を弱めて血糖値を抑える。β酸化を促進し、脂肪の代謝を促進してインスリン抵抗性を弱め、血糖値を抑える。

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