桑の葉茶の糖尿病に対する効果・効能について120%の真実を解説します。

桑=マルベリのお茶・青汁・サプリメントが血糖値を下げるってウソ?本当? 科学的研究報告や論文も交えて徹底的に検証します。

研究データ・論文

桑の葉が高血圧を予防して糖尿病の合併症を防ぐ?■神奈川県の研究論文より

投稿日:2017年2月25日 更新日:

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1996年に発表された、神奈川県の『機能性食品に関する共同研究事業報告』により、桑葉のさまざまな効果や効能が広く研究者や業界関係者に知られました。

なぜ今、桑の葉の健康機能がこれほど注目を集めているのか?

それは、血糖値・血圧・コレステロールや中性脂肪など血清脂質成分の抑制など、現代日本において3大死因を占める生活習慣病の予防が期待できそうな作用が、幾つもの研究で示されているからです。

 
そんな桑葉の効能のうち、糖尿病と非常に関連が深いと言われる 高血圧の予防効果 について、神奈川県の研究報告を詳しく検証してみたいと思います。

この研究においては、幾つかの段階に分けて実験が行われましたが、この記事では2つの実験をご紹介しています。
 
 

(1) 桑葉の血圧抑制効果の検索

【実験の内容】

はじめに、次の2種類の実験用ラットを用意します。

  • 成長すると自然に高血圧を発症するようつくられたラット 3群
  • 正常なラット 3群

 
そしてそれぞれの3群に、次のように異なった3種類の飼料を与えます。

第1群 (対照群) 桑葉を全く混合しない、普通の飼料
第2群 桑葉を2.5%混合した飼料
第3群 桑葉を10%混合した飼料

 
これを12週間にわたって摂取させ、1週間ごとに最低血圧と最高血圧を測定しました。

 

【実験の結果】

その結果、いずれのラットも、実験開始後1~4週目までに血圧の急上昇期を迎え、以後12週目までは比較的安定した状態を保ちました。

 
しかしその中でも、高血圧自然発症ラットのうちで桑を投与した群においては、1~4週目の急上昇期、及び4~12週目の安定期、いずれの場合にも最低血圧が抑えられる傾向が見られました。

また、最後に測定した12週目においては、最低・最高の両血圧とも、対照群 (桑の投与なし) に比べてはっきりと抑制傾向が見られました。

 
一方、正常ラットにおいては、12週全体にわたって血圧の抑制傾向は特に見られませんでした。
つまり、桑葉の摂取によって、血圧の正常なラットが低血圧に陥る事態はなかったということです。

 

【実験の結果から分かること】

これらの要点をまとめますと、

  • 高血圧のラットでは、桑の葉を摂取させることで血圧の上昇を抑制できた。
  • 正常血圧のラットでは、桑の葉を摂取させても、血圧がさらに降下して低血圧に陥ることはなかった。

 
ということです。まさに“いいとこ取り”の結果が出たわけですね(^^)

 
これをヒトに置き換えて考えてみますと、高血圧の抑制という前向きな効果・効能だけでなく、正常な血圧は低下させないという安全性をも期待できることになります。

 
ただし、現時点ではあくまでも動物実験からの推測であり、ヒトでの実験が本格的に行われたわけではありませんので、効果及び安全性どちらにしても過信は禁物です。

 

(2) 桑葉に見られた降圧作用の確認

(1)の実験で見られた桑葉の血圧抑制の効果をよりはっきりと確認するべく、今度は次のような実験を行いました。

 
高血圧自然発症ラットを、次の2グループに分けます。

  • 1グループ目…通常の水道水で飼育。
  • 2グループ目…食塩1%を加えた水を与えて飼育。

 
 
これはもちろん、塩分を多く摂った場合に、桑葉の血圧降下作用がどのように影響するかを見るためです。

 
そして、各グループをさらに3群に分け、

桑0%(なし)
桑2.5%
桑5%

 
…をそれぞれ混合した飼料を、18週間与え続けました。

 
結果、水道水で飼育したラットでは、桑投与群に10週以後の血圧が抑制される傾向が見られ、特に16週以降は最低血圧が有意に抑制されました。

また、食塩水で飼育したラットでは、16週以降に桑投与群の血圧が抑制される傾向は見られましたが、対照群 (桑0%) に比べて有意と言えるほどの差はありませんでした

 
食塩水で飼育したラットの場合に、普通の水道水で飼育したラットほどの血圧抑制効果が見られなかった要因は、明らかではないとしています。

 
もし人間でも同じことが当てはまるとすると、本当に血圧を下げたいならば、桑茶を飲んでいるとしてもやはり塩分を控えることを怠ってはならない…ということかもしれませんね。

 

なぜ桑の葉には血圧を抑える効果があるの?

この神奈川県の研究報告では、桑の葉の血圧を下げる効果を検証するため、もう一つ実験をしています。

桑葉にGABAの増強処理を行ったものを、上の実験と同じようにラットに与え、血圧の変化を見ました。

 
桑葉にはもともと、γ-アミノ酪酸(GABA) が豊富に含まれています。

GABAには、交感神経に作用してノルアドレナリンの分泌を抑えることで、血管の収縮を抑制し、またナトリウムの排泄を促進して血圧の上昇を抑える働きがあることが知られています。

 
実験の結果、GABAを増強した桑のほうが、通常の桑葉よりも顕著に血圧降下作用を示しました

これより、桑葉の血圧降下作用は桑葉に含まれるGABAによる働きが大きいのではないかと、この研究では推測されています。

 
また桑の葉には、玉ねぎ等にも多いポリフェノールの一種、ケルセチンも多く含まれており、このケルセチンは動物実験により、血圧抑制やコレステロール値の低下作用が見られることが分かっています。

これらの成分が、桑の葉の血圧を下げる効果に関連しているのではないかと推測されているようです。

 

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