桑の葉茶の糖尿病に対する効果・効能について120%の真実を解説します。

桑=マルベリのお茶・青汁・サプリメントが血糖値を下げるってウソ?本当? 科学的研究報告や論文も交えて徹底的に検証します。

研究データ・論文

桑の葉の効果・効能が一躍有名になった最初の研究って何? あらゆる生活習慣病の予防に期待

投稿日:2017年2月11日 更新日:

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“桑”は古くから漢方として使用され、日本の古文献にも数々の効能が謳われています。

例えば、咳を鎮める、熱を冷ます、目の症状をよくする、関節の痛みを鎮める、利尿を促す、肝臓や腎臓を強くする、低下した体力を補う…など様々です。

 

しかし近年ではさらに研究が進み、血糖値を抑制する糖尿病への予防効果ばかりでなく、私たち現代人を脅かす様々な生活習慣病に対して予防を助ける可能性が示唆されています。

具体的には、高血圧・動脈硬化・肥満・脂肪肝・脂質異常症などです。

 

この記事では、桑の効能を現代において新たに明るみに出し、桑の葉が本格的に健康食材として注目を集めるきっかけを作った、その最初の重要な研究について詳しくご紹介します。

1996年、神奈川県で行われた一大プロジェクトです。
 
 

蔓延する生活習慣病の予防+さびれゆく地方の活性化~一石二鳥を託された“桑の葉”ビジネスへの期待

健康に役立つ新たな食材として、学会や業界が次第に“桑”に着目し始めたのは、1990年代のことです。

過疎化が進み、地域の資産や特長を生かした「ふるさと創生」が盛んに唱えられる一方で、癌(ガン)や糖尿病、動脈硬化など生活習慣病の広がりと医療費の増大も深刻化しつつあった時代です。

 
かつての栄えた養蚕業の名残として全国各地に残っている桑畑は、その2つの大きな社会問題を一度に解決できる可能性を秘めているように見えました。

桑の葉の優れた機能を生活習慣病の予防に活かし、国民の健康に役立てて医療費の国庫負担を抑える。
桑の葉による健康ビジネスを地域の産業として発展させ、地方を再興して過疎化を食い止める。

 
 
このように国の変革にも繋がりそうな大きなビジョンのもとに、それまで食品としては見向きもされなかった桑の葉の健康機能を科学的に明らかにするべく、本格的な研究が始まりました。

その先駆けとなったのが、1996年に行われた神奈川県の『機能性食品に関する共同研究事業報告』でした。

桑の葉の効果・効能が国内で初めて脚光を浴びた、画期的な研究です。

神奈川県の『機能性食品に関する共同研究事業報告(1996年)』は、当時ほとんど食品として利用されていなかった桑の葉が、栄養価の高さや機能成分の優秀さが国内で注目を集める最初のきっかけとなった研究です。

高齢化が進み、糖尿病や動脈硬化など生活習慣病の蔓延が深刻化する中、神奈川県が、ルバーブや鶏卵など県特産の農畜産物を生かし、健康保持や増進に役立つ食品や生理機能の発見や生産・加工技術を開発すべく、各公的・専門機関による一大プロジェクトを立ち上げました。

県科学技術推進委員会を始め、県衛生研究所、栄養短期大学、がんセンター、農業総合研究所、畜産試験場などそうそうたる公的・専門機関が顔を揃えています。

そしてそのプロジェクトの一環として、桑の葉の持つ健康機能についても研究が為されました。

 
その内容は、桑葉の栄養成分の分析に始まり、桑葉の血圧抑制作用・脂質代謝への影響・血糖制御作用・血液流動性への影響・生理活性物質の検出・消化管や腸内フローラへの影響・発がんや変異原性抑制効果・抗酸化能、そして加工食品への応用方法の開発まで、多岐に渡っています。

糖尿病の予防のために、高血圧や脂質異常、癌(ガン)など他の生活習慣病にも注意すべきなのはなぜ?

糖尿病予防に大事なのは、単に血糖値の管理だけではありません
脂質過剰による内臓脂肪の増加=肥満は、インスリン抵抗性を引き起こす重大な要因となります。

 
また、高血糖、高血圧、高脂血症、動脈硬化、癌(がん)などは、いずれも過食や運動不足、ストレスなどから血管に負担をかけ、体の各部位に炎症や細胞機能の異常を引き起こすことが大きなファクターとなって生ずる「生活習慣病」の一環です。

つまりは、糖尿病と高血圧は別個の病気だから関係ない…のではなく、それぞれの病気の根底にある共通した病態を予防する観点が大事になってきます。

例えば食生活に限って言えば、単に糖尿病予防のために糖質を控えるだけではなく、高血圧のもととなる塩分、あるいは高脂血症や脂肪肝の原因となる脂質の摂りすぎにも気をつけたほうが良いでしょう。

 
実際、糖尿病の人はそうでない人と比べて、動脈硬化を起因とする心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが2~3倍、また癌になるリスクも 1.2倍 高くなるという調査結果が出ています。

肥満だと糖尿病になりやすいのは想像に難くないかもしれませんが、同様に糖尿病やその予備軍の方は、高血圧や動脈硬化、ひいては癌の可能性にも十分に注意を払う必要があります。

 
そのような意味でも、実にさまざまな効果・効能が噂される桑の葉の健康機能については、特に糖尿病予防に関心を持ってこのブログに来られた皆さんも、単に血糖値の抑制ばかりでなく、血圧の制御、血清脂質の改善、発がん予防の作用などについても一通りの知識を得る価値はあるのです。

神奈川県の研究で明らかとなった、糖尿病や他の生活習慣病予防に効果的な桑葉の効能の種類とは?

この神奈川県の研究事業では、血糖値の抑制効果ばかりでなく、血管をきれいに保つなどして高血圧や脂質異常、癌 (ガン) などあらゆる生活習慣病の予防が期待できそうな、桑葉のさまざまな効果や効能について報告されました。

 
その中で、このブログでは特に次の項目について、報告された研究結果を詳しくまとめてあります。

なぜ桑の葉に効果・効能があると言われるのか、その科学的データや根拠に関心のある方は、一度ご覧になってみるとよいかもしれません。

① 桑の葉が血糖値を抑制する作用について (神奈川県の研究より)

この研究の具体的内容は、普通に育てれば加齢とともに糖尿病を自然発症するようつくられた動物実験用ラットに、桑の葉を配合した飼料および桑の抽出物を混合した飼料を長期的に与え、血糖値やインスリン分泌量を調べ、膵臓の病理学的変化を観察するというものです。

 
結果としては、空腹時血糖値、ブドウ糖負荷後の血糖値 (=食後血糖値)、そして食後に血液中へ分泌されるインスリン濃度の3つにおいて、桑の葉配合飼料で育てたラットのほうが、そうでないラットよりも有意に良好な状態を示しました。

つまり、空腹時血糖値とブドウ糖負荷後の血糖値は、桑の葉を食べたラットのほうが値が低く、食後のインスリン分泌量も多く、速やかに血糖値を低下させた ということです。

 
また、膵臓の病理学的変化については、同じWBNラット (加齢に従い糖尿病を自然発症するラット) でも、普通に育てる群と桑の葉を与えながら育てる群とでは、次のように明らかな違いが現れました。

普通に育てたラット 加齢につれて膵臓の広範囲に大きな病変が見られる。
インスリンを分泌するβ細胞がほとんど消失してしまった。
桑の葉を与えたラット 病変部位が、β細胞のある“ランゲルハンス島”という部分に限定されている。
病変の程度は比較的軽度。
加齢しても、β細胞の存在が確認された。

 
 
桑の抽出物については、複数の成分が存在しますので、それらを各々分離したものを混ぜた5種類の飼料を、ラットを5群に分けてそれぞれ与えて実験しています。

その結果としては、これまで桑の葉の血糖値抑制効果の主要因ではないかと考えられていた食物繊維による効果はあまり大きなものでないと結論され、代わりに桑の葉に含まれるブタノール (アルコール類の一種) DNJ (=1-デオキシノジリマイシン) による可能性が示唆されました。

 
これらの研究結果から総合して、桑の葉には高血糖を抑える生理活性があり、糖尿病発症のリスクを抑える、また発症後でもその重症化を抑制する効果が期待できるものとしています。

 

 

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