桑の葉茶の糖尿病に対する効果・効能について120%の真実を解説します。

桑=マルベリのお茶・青汁・サプリメントが血糖値を下げるってウソ?本当? 科学的研究報告や論文も交えて徹底的に検証します。

研究データ・論文

ついにDNJの濃度測定法を開発!桑葉の効果・効能・安全性を初めてヒトで確認した研究とは?

投稿日:2017年2月12日 更新日:

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桑の葉に豊富に含まれる“1-デオキシノジリマイシン (DNJ)”が、小腸内での糖質の吸収を阻害し、血糖値の急激な上昇をやわらげる効果があることが知られ、桑の葉は一躍「糖尿病予防に効く」健康素材として注目を集めました。

オススメ!桑の葉に多い“1-デオキシノジリマイシン(DNJ)”が血糖値を抑えてくれる仕組みは?

 
そして、このDNJの濃度を測定する方法が、日本の研究機関によって世界で初めて開発されたことにより、より高い血糖値抑制効果を期待できる桑の葉商品の製造への道が開かれようとしています。

 
この記事では、桑の葉を活用した健康食品の開発へ向け、わが国の本格的な研究の走りとなった、東北大学大学院、農研機構、ミナト製薬などのコンソーシアム (共同事業体) による一連の研究をご紹介します。
 
 

世界初!桑の葉に含まれるDNJの量が測定可能に

まず、2002 (平成14) 年に、農研機構の東北農業センターと福島県ハイテクプラザが共同で、DNJ (1-デオキシノジリマイシン) の定量法を開発しました。

それまでは、桑の葉に含まれているDNJの具体的な量を測定することが困難であったため、桑の葉商品の十分な開発ができませんでした。

しかしこの開発によって、DNJの含量を明確にすることが可能となったため、DNJ濃度の高い桑葉食品を製造する道が開けました。

よりDNJ濃度の高い桑茶や桑葉エキスの製造法が明確に

その後、2004 (平成16) 年に、農林水産省の「先端技術を活用した農林水産研究高度化事業」に応募して採択され、競争的研究資金の助成を受けました。

こうして『血糖値改善効果を有する桑葉製品開発』というプロジェクト名のもと、本格的な研究開発が始まります。

 
このプロジェクトでは、先に開発したDNJの定量法を用い、DNJを高含有する桑葉食品の生産技術とそれを効率的に大量製造するプロセスの確立を目指しました。

 
その結果、桑葉の中でも品種を選別し、その若い葉の先端部分のみを刈り取ることで、よりDNJを高含有する原料を確保できること、そして製茶法からエキス抽出法に至る加工工程で、高温蒸気蒸しやエタノール抽出などの方法を条件的に用いれば、従来の一般的な桑葉食品よりもはるかにDNJ濃度の高い製品 (桑茶で約5倍、エキスで約10倍) を製造できることを明らかにしました。

桑の葉の血糖値における効果と安全性とを、初めてヒトによる実験で証明

そしてさらに2007 (平成19) 年には、上記の製造法で開発されたDNJ高含有の桑葉エキス (100g中1.5g含有) が、

  1. 食前の摂取により、食後の血糖値およびインスリン分泌量を抑制できる。
  2. 1ヶ月強にわたり連続的に摂取しても、低血糖や低インスリン血症など有害事象を起こさず、安全である。

 
この二点を初めて、動物でなくヒトにおける研究実験によって証明し、桑葉エキスの効果・効能に関する一つの科学的エビデンスを確立した形です。

 
その研究の具体的内容を、次の表にまとめます。

実験の具体的内容 実験結果 実験結果から分かること
①について
 
(桑葉エキスの効果・効能を検証)
健常人24人を次の4群に分ける。
 
① 0g群 (見た目は同じだが全く桑葉エキスを含まないカプセル=プラセボを経口)
② 0.4g (の桑葉エキスを経口) 群
③ 0.8g (同) 群
④ 1.2g (同) 群
 
それぞれ、カプセル状のプラセボor桑葉エキスを、ショ糖50gと同時に飲んでもらう。
 
その後、30分ごとに採血をし、血糖値、インスリン値を測定する。
●ショ糖を摂取した直後の血糖値について
 
0g群では血糖値が急上昇→急降下という過程を辿る。
 
しかし桑葉エキスを投与した群では、上昇の度合いも比較的抑えられ、その後の降下も緩やかである。
 
インスリン値も同様。
 
※こちらのサイトに、各群の血糖値の変化を比較したグラフがあります。
農研機構プレリリース
桑葉エキスには、食後すぐの急激な血糖値の上昇を抑え、以降の糖の吸収速度を緩やかにする効果があると思われる。
②について
 
(桑葉エキスの安全性を検証)
健常人12人を次の2群に分ける。
 
① 0g群 (プラセボ)
② 1.2g群 (桑葉エキスを投与)
 
それぞれカプセルを、毎食前に38日間連続して飲んでもらう。
 
初日、24日後、36日後に採血し、血糖値、インスリン値を測定する。
初日、24日後、36日後ともに、血糖値およびインスリン値はほぼ横ばいであり、特に大きな変化は見られない。 桑葉エキスを健常人が長期間摂取しても、血糖値やインスリン値を極度に下げて低血糖や低インスリン血症を招くことはないと思われる。

 
 
この研究発表により、DNJを含む桑葉の血糖値抑制効果がより明確に示されたのみでなく、DNJやそれを含む桑葉エキスの具体的な有効摂取量が明らかにされました。

 
また、有効量を摂取し続けた場合の、人体への安全性も一定の範囲で証明されました。

ただし農研機構による成果情報においては、「安全性に関しては今後の一層の検討が必要である」とされています。

 
また、この桑葉エキスの効果・効能に関しても、農研機構のプレリリースの中で、

  • 「本成果は桑エキスが糖尿病予防食材としての可能性を科学的に示したものですが、商品の効能を謳うものではありません。」

 
とし、あくまでも今後の研究のより一層の進展に資する成果であると位置づけています。

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